Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2013年11月17日日曜日

【翻訳記事】若いあいだに旅をすべき7つの理由



私は、若いあいだに世界中の広範囲を旅する幸運に恵まれてきました。アメリカのほとんどの地域を訪れ、ハワイとアラスカの多くの街にも足を運びました。それから、アフリカ、スイス、アイルランド、イギリス、スコットランド、フランス、メキシコ、ボネール島などの諸外国も訪れました。西インド諸島・グレナダにも数年住みました。世界を旅して得た経験は何ものにも代えがたいものであり、まだまだ訪れるべき地域があります。自身の経験に基づき、すべての若い人に伝えたい。生まれ故郷を出て、外の世界に飛び込むこと。私の人生を変えた7つのことがらを紹介したいと思います。

1. 旅は世界に対する接し方を変える

私は田舎町で育ちました。もしも若いときに旅をする機会を得ていなかったとすれば、心地良い田舎の生活の外にある世界に思いを巡らすこともなかったでしょう。旅をすれば息を飲むほど美しい数々の景色に思いがけず遭遇します。海にかかる夕暮れ、山脈を飛翔する鷹、熱帯雨林を縦横無尽に駆け巡る猿の群れ、急流で鮭を捕らえるグリズリー、壮大な滝、火山が激しく呼吸するように噴き出す煙、人生で出会うことのできる数々の美しい情景を思い知らされることでしょう。それを探求したいという激しい情炎に駆られることでしょう。

こういったものに若いときに触れなければ、歳をとり、家族得た時には欲望の種は縮小したものとなり、探求への欲求は少なくなるかもしれません。自分が見落としていたものを知らずにいれば、あえて努力してまで旅をしようという欲求に駆られることもありません。旅の過程を通して、後世の世代へと地上の美を守り続けていかなければならないという義務感のようなものも育まれていくでしょう。まずはそれをじっさいに目にすることから、守ることは始まるのです。

2. 旅は他人に対する接し方を変える

不幸なことに、私の育った場所は多様性に欠けていました。皆が同じような見た目で、基本的に同じような行動をするのです。旅を通じて、他の文化を学びました。私とは違う見た目で、私とは違うような行動をする人たちと友情を築く中で私自身の人生がより豊饒なものになると思ったのです。故郷を遠く離れ、私とはまったく違う価値観を持つ人と友情を育むことこそ私が求めていたことだったのです。コンフォート・ゾーン(居心地の良い場所)を離れ、関係を築き、経験を積むことは恐るるべきことでなく、大切にすべきものだということを教えてくれたのです。同時に、コミュニケーション・スキルがいかに大事なものであるかも実感しました。こう言えばより分かりやすいでしょうか。メキシコを訪れたあとは、大学のスペイン語のクラスをより真剣に取り組むようになりましたし、フランスやアフリカに旅したあとは、フランス語のクラスにより熱心に耳を傾けるようになったのです。

3. 旅はあなたを謙虚にする

歳を取るにつれ、人生について私がいかに無知であるかを思い知らされるようになりました。すべてを悟ったのかのような感覚に陥るのは、どうやら若さの産物であるかのようです。そうは言うものの、そうした幻想はなるべく早く砕け散るにこしたことはないのです。(少なくとも私の場合はそうでした)旅をすると、困難な状況に陥ることがあります。世界は自分が思っていたよりも、ずっと巨大なのです。世界は自分を中心になんか回っていないとすぐに気づくことでしょう。自分が大海を優雅に泳ぐ大きな魚などではなく、穴でもがく小さなちいさな小魚にすぎないと学ぶのです。

さて、だからといってあなたが取るに足りない存在かというと、そんなこともありません。ただそうした意識における変容はあなたの視野を拡張し、他人から学ぶことを厭わず、あなたが持ちうる知見を他人と分かち合うことを促すことでしょう。旅は自分の内に長らく住まっていた固定概念を取り払うでしょう。自分をコントロールするというシンプルなこと、そして地球という広い視野から自制心を持つことがいかに難しいことかを悟るでしょう。

4. 旅はあなたを新たなる挑戦へと誘う

旅はあなたを謙虚にすると同時に、自信も付けてくれます。今までなら出来るなんて思ってもみなかったことを実現できるようになっている自分に気づくことでしょう。例えば、私は過去二年間、西インド諸島・グレナダに住んでいます。きちんと舗装されたアメリカのオープンロードの右側を運転することに、私は慣れきっていました。グレナダでは、複雑に入り組んだ未舗装の山道の左側を運転しなければならなかったのです。加えて、ほとんどの道路にはレールガードが付いておらず、崖の下にはいくつもの家の屋根が立ち並んでいるのが見えます。

つまり、もし運転をミスすれば、私自身が死ぬという問題ではなくて、夕食を囲んでいる家族をも巻き込んでしまうのです。すごいプレッシャーですよね。何度か肝を冷やすことはありましたが、今ではすっかりこういった運転環境にも慣れ、地元の人や、道を通る家畜、空いた穴を見落とすことはありません。この恐怖を克服する経験を通して学んだことは、人は適応できるということです。思うにこうした経験に年齢の早い遅いはないと思います。ですが、若いときに適応できれば、残りの人生をより充実したものにできるのではないでしょうか。

5. 旅は世界の苦しみに共感を呼び起こす

旅を通じて、あなたにとっての「当たり前が」世界の当たり前ではないことに気付かされます。じっさいに目にしたことのない人には分かりづらいかもしれませんが、多くの場所で考えられないくらい劣悪な環境で飢餓に苦しんでいる人々がいます。そうした人々とリアルな、個人的な人としての人間関係を取り結んだときにはじめて、ニュースに映し出される戦争や飢饉の真の意味が感じ取れるというものです。世界の諸地域で暮らす人の実情に共感を呼び起こすことができないエゴイスティックで冷淡な態度や感情といったものは立ち消えるでしょう。他者に救いの手を差し出さずにはいられなくなるのです。

6. 旅は教育上の地平を押し広げる

悲しいかな、私は学校で習う歴史が好きになれませんでした。ただ本の字面を追うことが退屈で仕方なかったのです。しかしながら、実際にフランスでヴェルサイユ宮殿、アフリカでバシリカ聖堂を目にしたとき、アイルランドの廃城を登ったとき、ホワイトハウスを訪れ、ルーヴルの廊下を歩いたとき、歴史に対して深い恩恵の意を表さずにはいられなかったのです。旅は歴史を生きたものへ変位させます。ストーリーはもはや本の挿絵ではなく、学校でならう陳腐な絵空事なぞではなく、あなたの記憶にきわめて具体的なイメージを伴って残るのです。

7. 明日は保証されていない、人生を"今"楽しもう!

多くの若い人は様々な理由を立てて、旅に出ようとしません。責任を持ちたい、もっと働きたい、結婚したい、子供が欲しい、人生をしっかり組み立てたい。しかしどうでしょうか、退職してから老後の時間をそれに充てる、だから今は我慢する、私はこうした考えを退けます。もちろん私だって老後は旅を続ける予定ですが、長く生きられるかなんて誰にも分からない、明日は誰にも保証されていないのです。もし40代、50代、あるいは60代で何か起こり、長く生きられないとしても、私は後悔は何一つありません。旅を通じて、私は自分の感性や能力を最大限に振り絞りながら、一瞬一瞬、目の前にある機会を体感・経験し、地球の壮麗な景色をいくつも目にしました。旅が今の私を作ったのです。こうしたヴィジョンを蔵し、まだまだ多く残る人生の時間の中で旅路を続けられることを喜ばしく思います。

著者(Author):Sarah Hansen
(元記事:7 Reasons You Should Travel While You’re Young - Lifehack)

大筋の本意が伝わればと思い、爆速で平易に訳しているので、多分に意訳を含んでいます。誤訳や内容での指摘があればコメントお願いします。

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