Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2015年1月19日月曜日

ダイバージェント(異端者)の行き着くところ


戦争の後の荒廃した世界を描いた作品『ダイバージェント』(原題:Divergent)
そこでは秩序を保つため、成人した男女は、適性テストの後、5つの派閥(factions)に属し、人生を過ごすことになる。:無欲(Abnegation)、勇敢(Dauntless)、平和(Amity)、高潔(Candor)、博学(Erudite)。

主人公のベアトリスは無欲の家に生まれる。
普通、所属する派閥は適性テストの結果を踏襲することになり、その結果も生まれた家の派閥通りになるのが通例であった。
ところがベアトリスに下された結果は、どこの派閥にも適正を示さない、極めてレアな異端者(divergent)だった。

秩序を保つため、異端者は徹底的に追われ、消されることとなる。
結果的に彼女は身分を隠しつつ、勇敢の途を選ぶが、そこから博学が仕掛けるクーデターとの闘いが始まる。

世界観やプロットの設定までは良かったのだけれど、あまりにもオチが脆弱すぎて、残念...。

一見、珍しいように思える世界設定もじつはいま生きている世界とそんなに変わらないんですよね。
派閥というのも、職業や階層というふうに読み替えることもできるでしょうし、たとえば高学歴高収入の家に生まれれば、子供もそうなる蓋然性が高くなるというのは、まさしくこの作品で描かれている、無欲の家に生まれれば、その生活を所与のものと受け止め、自らも無欲になっていく。
ただ、主人公のベアトリスはそこから“異端者”という烙印を押されながらも、違う道を歩んでいく。

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