Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2015年1月18日日曜日

“シンギュラリティ”の後の世界


劇場で見逃していた『トランセンデンス』を鑑賞。
タイトルのトランセンデンス(transendence)=超越とは「シンギュラリティ」(技術的特異点)のこと。
いわゆる人工知能の技術が発達し、コンピューターが人類の知能を超えるといったところ。
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映画では、夫婦共々天才科学者というキャスター夫妻を中心に物語は進んでいく。
とくに主人公のジョニー・デップ演じるウィル・キャスター博士は人工知能の分野の権威とみられ、『WIRED』の表紙を飾るなど、「PINN」計画という政府と共同のプロジェクトの先頭にいた。(そういえばこの前の『WIRED』で量子コンピューター等大々的に取り上げられてましたね)
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ある日、(おそらく研究費の出資者らと思われる人々向け)のプレゼンを終え、(なぜか聴衆の中にイーロン・マスクがいました笑)歩いていると、テロリストに襲撃されます。
一命は取り留めたものの、実は銃弾に放射線が混合されており、余命は一ヶ月弱と宣告される。
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逆説的ですが、ここから人類のトランセンデンスへの途が始まっていきます。
PINN計画で猿の脳をスキャンし、アップロードすることに成功していたため、同じことを死期間近のキャスター博士に秘密裡に施すことになるのです。

キャスター博士は肉体的な死を迎えます。
そして独りでにコンピューターが始動を開始。
インターネットに繋がった時点で、猛烈な勢いで自己学習を推し進め、生前の博士の何万倍ものスピードで研究を加速させていく。

さて、人工知能ものの映画といえば、『her』など昨今かなりされていますが、この作品で一味加えられているのは、それを阻止しようとするテロリストとの攻防、より踏み込んでいえば人類滅亡への黙示録のように悲観的なサイドから描かれているということ。(オチでいうと、必ずしもそういうわけでもないのですが)
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劇中で繰り返されるセリフは
「人は未知のものを恐れる」
というもの。 

最近では人工知能は自然科学分野においてもっともホットな領野でグローバルレベルでその覇権争いが行われています。
その先端にいるのは恐らくGoogleですが、日本でもこの前ドワンゴが人工知能研究所を開設して話題になっていました。
どちらにせよ、人工知能研究が進み、シンギュラリティのティッピングポイントを超えたとき、待ち構える世界はユートピアなのか、ディストピアなのか。
神はサイコロを振らない。のだろうか。

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