Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2014年1月9日木曜日

2014年の地図―揺るぎないプリンシプルを打ち立てること


なりたい"ジブン"を描くこと
旅にでるとき、ヒトは「地図」を手に取る。
いくつかのメルクマールをたどっていきながら、目指す先へと歩を進めていく。

部活をやっていたひとならば、よく分かると思う
具体的に何周かを告げられず、ただただグラウンドを走り続けさせられるのは辛い。

いみじくも『バガボンド』で宝蔵院胤栄が斯くの如く語るように。
目的のない稽古に
人は耐えられん 

まずは、「なりたい"ジブン"」を描くこと、それに向けた揺るぎない"プリンシプル"(行動原理)を確立して離さないこと。
きっとコレさえ打ち立てることができれば、これから下につらつらと書いていくであろう小目標のたぐいは泡沫に消えるでしょう。




マスタープラン=(思考+習慣)× 反復
目標をたてるときに参考になりそうなのが、友人のレイカちゃんがブログで紹介していた「SMART(Specific、Measurable、Achievable、Realistic、Time)」という目標設定の基準。
そもそも新年の抱負ブログを1年ぶりに書こうと思い立ったのも、彼女を含めた友人と新年会をして、インスパイアされたからなのでした。

lifehackerの数日前の記事「先延ばしグセを解消するために大切な2つのポイント」にもあったように、一見、複雑で膨大な目標も分解・整理して、具体性を持たせながらチャンクダウンするのが有効だと思います。
それは承知した上でなお、僕はもっと根本の部分、行動準則=規範=習慣が大事だという確信を持っています。(「マスタープラン」と言い換えてもいいかもしれません)

行動の反復によってのみ偏在的傾向の普遍化は可能なのだ」という村上春樹の箴言も、アリストテレスの「繰り返し行うことが、人間の本質であり、美徳は、行為に表われず、習慣に現われる」という有名な言葉も同じことを含意しています。
「思考は現実化する」―迷ったときに常に立ち返る行動規範のレファレンス・ポイントを習慣と結びつけること。
その意味で自己満足で完結しそうな新年の抱負(New Year's Resolution)は年に一度の良い機会なのかもしれません。



「一生続くペイン」はない
痛みは避けられない。でも苦しみは自分次第だ」(Pain is inevitable. Suffering is optional)村上春樹のエッセイ『走ることについて語るときに僕の語ること』の冒頭から引用です。大好きな本で、これまでに日本語で3回、英語で1回読んだ本です。
受け売りばかりですが、中学生の頃からずっと愛読してきた氏の作品や著作からは計り知れない影響を受けていることは認めざるを得ないです。

とくにこの一文が意味するところを身を持って感じたのは、僕の場合、走ることを通してではなく自己との対話=瞑想を通してのことでした。
単身インドへ修行に行き、圧倒的な"孤絶"のなかで、時間の感覚から遠く離れた場所でひとり来る日も来る日もただ瞑想を続けたことでやっと分かったことです。(このへんの詳しい話は「インド修業から、東大に受かるまで」というエントリーに書きました)
ショーペンハウアーは『意志と表象としての世界』でこれを一言で言い尽くしています。
継続こそ時間の全本質である

「万物は流転している」―連続性を意識すること。たとえばこの類の目標計画を立てるときも、常に大局観を持つことが肝要だと思うのです。

インドでの旅を通して以前にも増して、仏教に興味を持つようになりました。
滞在中も列車移動のさいに『ブッダのことば―スッタニパータ』に目を通していました。
数ある金言の中でも「自分の心を支配しなさい、さもなければ心があなたを支配するでしょう」(Rule your mind or it will rule you)という言葉が肺腑を衝きました。




セレンディピティ/オープンマインド
先日、バイト先にて、ある年配の男性のお客さんとメディアの話で盛り上がりました。

「大学院でメディア研究をするんです」

「おお、そうかい。おじさんもメディアの仕事をしてるんだ。今度ゆっくりまた話そう」

と誘っていただきました。
それがある新聞社の会長さんだったのです。

「尊縁・結縁・随縁」僕はこういうものを大切に生きています。
棚からぼた餅=僥倖という風には思いません。
というよりは「計画された偶発」(Planned Happenstance)により近いスタンスをとっています。
まあそんな御託は脇に置きます。

出会いやコミュニケーションにおいて、大切なことは「まずコチラから心を開く」ことではないかと感じています。
オープンマインドな開陳性を常に持っていれば、セレンディピティの窓はいつでも広く開かれてると思うのです。




❏自分自身に誠実であること。
最後に具体的な目標を3つ掲げておきます。
来年の今頃、「バーカ、やっぱできてねーじゃねーか。」と自分を責め立てるためにも。

<1. 小説をひとつ書く>
でもこれに関してはべつに焦りはありません。言い訳がましく聞こえるかもしれませんが、こればっかりは人生の濃度が関係してくるのだと思うのです。たとえば村上春樹は30歳を過ぎてから、百田尚樹さんも50歳を過ぎてから執筆を始めていますし、ドストエフスキーのよく知られた著作のほとんどは晩年に書かれたものです。

ただ書くならば内容がペラペラの稀薄なものでなく、(欲を言えば)国を越えて広く普遍的に愛される息の長い作品、例を挙げればサン=テグジュペリの『星の王子さま』やパウロ・コエーリョの『アルケミスト』など。
夢は大きい方がいい。笑
とりあえずまずは1本書く。

<2. トライアスロンに挑戦する>
これ去年けっきょくできなかったので。ジムにはかれこれ5年位行ってるのですが(多忙になると散発的になることもありますが)、けっきょくジムのワークアウトはインプットで、アウトプットが必要だと思うのです。
ネックなのは道具集めですよね。お金がかかります。
それもどうにかしましょう。

<3. 研究の骨子を固める>
今でも週に1度ゼミだけ参加していますが、春からは正式に大学院に入り研究を始めるので、本分は学生ということを忘れずに勉学に励みたいです。
学部時代にも卒論は書きましたが、修論はそれ以上にはりきって取り組む所存です。
そういう意味で今まで以上に読書に精を出しつつも、研究計画に沿った、能動的なリサーチ・リーディングを進めていきます。(読書について「読書考―「本を読む」ということについて本気で考えてみる」)


とまあ、抽象論に傾いてしまいましたが、今年も新しい環境で色んなことに挑戦していきますので、よろしくお願いします!



⇒「2012年の地図

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