Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2013年5月2日木曜日

インド瞑想記③ パンデモニウムへ(Into Pandemonium)

#②の続き


南京錠はもちろんドーミトリーに泊まる時にも必須だが、列車に乗る時にも重宝する。
南京錠をバックパックにかけ、チェーンでそれを窓に繋いでおけば、強奪されることもなくなる。(基本的にバックパックを枕代わりにしていれば取られる心配はほとんどないと思うが)


Basicsを頭に置いておく

列車に揺られること約8時間、ガヤ(Gaya)に到着。
8時間のうち6時間は睡眠に充て、残りの2時間は到着まで最低限のヒンドゥー語の定型文の暗記にあてた。これらBasicsをいくらかストックしたあとは、[Champagne]の"I Wanna Go To Hawaii."を垂れ流す。



何時頃からか、旅へでるときは地球の歩き方ではなくて、ロンリープラネットを持っていくようになった。たしかに地球〜の方がロンプラよりも写真などは充実しているのだけれど、総合的な情報量はロンプラの方が多い気がするし、語り口も自分には合っている。
まあ今の時代、スマホ一つあれば事足りるとは思うけれど。トリップアドバイザーなど活用すれば。

インドの場合、デリー、カルカッタなど大都市でなくとも、ガヤほどの中小都市でも観光客が少しでも訪れる土地なら間違いなく、必ず列車を降りた瞬間誰かが客引きに来る。
その間、わずか3〜5秒。相手も必死なのだ。外国人は上客だから。
そんな訳で、ガヤに着いた瞬間、オートリクシャのドライバーがやってくる。
「とりあえず、トイレ行かせてくれ笑」といい、トイレへ向かうが、ずっと後を付いてくる。捕らえた魚は逃さないと言わんばかりに。

用を足し、値段交渉を済ませ、ブッダガヤ(Bodh Gaya)へ向かう。
リクシャの相場に関しては、さまざまなブログや旅行書に書いてあるが、常に変動しているので、それらは参考程度にして、現地でその時の情報を集めるのが一番良いと思う。
ガヤからブッダガヤまでは約16km。

カルカッタから駅まで向かうタクシーでも感じたことだが、運転がとにかく荒い。
日本のように道に二車線あるわけではなく、ただそこに一つの道があってそれを四方八方から来る乗り物が共有しているだけで、なんのルールや統制もない。



感覚だけでドライブしている。だから対向車とはいつもチキンレースのようになる。どちらが先に避けるのか。どちらもギリギリまで避けようとしない。
沢木耕太郎さんの『深夜特急』のたしか、シルクロード編でも同じようなことが書いてあったと思うが。
馬鹿みたいに車を飛ばし、そこら中でクラクション(honk)の音が乱れ響きわたっている。まるでなにかの狂想曲のようだ。



とにかく、20〜30分ほどで瞑想センターに到着した。
センターはブッダガヤのやや外れに位置する。
集合時間が16時で到着が13時くらいだったから、結局かなり余裕を持って到着できたことになる。




とりあえず早めに受付を済ませてしまうことにした。



参加者のリストを見せてもらうと、どうやら自分以外にも日本人の人が男女で1人ずついるようだ。
今日が一応、瞑想プログラムの0日目ということで午後にはオリエンテーションが予定されている。それまで時間があったので、少し外を歩いてみることに。


この日、外の気温はおそらく38〜40℃ほどだったと思う。
汗が吹き出して止まらない。
街道を2kmほど歩くと、飲み物や食べ物を売るスタンドみたいなところに来た。
ここではじめて、Thumbs Upに出会う。


サムズアップはこのお兄ちゃんに勧めてもらった。コーラに味は近いけど、微妙に違う。ドクターペッパーよりもクセはない。個人的にはコーラよりも美味しいかも、と思った。(12R。約25円)
そしてGOLD FLAKEというインドのタバコも一本いただく。コチラも吸いやすい。
30分ほど、お兄ちゃんと談笑。フェイスブックを交換して別れる。
この時点で日本から持ってきていたマルボロの箱も切れる。
ついに、ついに、禁煙のときがやってきた。もう後戻りできない。


再びセンターに徒歩で戻ると、ちらほら参加者が集まり始めていた。
まだ完全な沈黙(noble silence)は始まっていない。これは今日の18時頃から始まる予定だ。沈黙がはじまれば10日間、会話はおろかジェスチャーやアイコンタクトも一切禁止となる。
とりあえず各々挨拶を交わす。

瞑想の奉仕者の方に、瞑想がはじまる前に断髪、というか坊主にしたいのだがという相談をすると、「ブッダガヤの理髪店まで一緒に行こうと」オーストラリアのジョンが誘ってくれた。ジョンはこれまでも何度も瞑想に参加しているとのことだ。
インドでもいろいろな州で、はたまた京都のセンターでもやったことがあるそうだ。


リクシャに関して、ジョンから耳寄りな情報を聞く。
値段交渉うんぬんの前に、リクシャに乗るには二つのタイプがある。①プライベート②シェアだ。
そして断然②のシェアが安い。
プライベートとは、誰もまだ乗っていない(停止中のリクシャ)と交渉し、目的地を告げ、乗り込む。これは割高になる。
シェアは既に何人も乗せたリクシャに乗り込むといったもので、ほとんど外国人も現地人も値段が変わらなくなる。インドでは3〜4人乗りに平気で8人は乗る。


そして、理髪店に到着。
とにかく髪がかなり伸びていて暑かったし、パーマもかかっていて煩わしかったので、限界まで髪を切ることに。ここまで短くするのは少年野球をやっていた時以来だ。


ジョンも散髪。笑
散髪代50R。(約100円)これでもちょいと多めに払った方。
とにかく安い。

散髪も完了し、三度センターに戻り。
自分の部屋へ。どうやらドミではなく、シングルのよう。


早速、ヤモリがお出迎えしてくれる。


蚊帳が付いているのは大きかった。半端じゃない蚊の数だったから。
でも結局、蚊帳や蚊よけスプレーは効力を発せず、プログラムが終わった時には、右腕だけで20箇所くらい刺されていたのだが。

そして、電子デバイスの類、お金、本などほぼ服以外のすべてを貴重品(valuables)として別の場所で預ける(deposit)。没収。

最後にthe HIATUSの'Deerhounds'を聴いておく。
"I'm starting out in the world of pandemonium"
という歌詞がなんだか、自分のこの旅自体のテーマを歌っているかのよう。 

いよいよ10日間におよぶ瞑想がはじまる。

やっと本当に書きたかったところまで到達しました。

【瞑想記一覧】
■出発する直前
■インドへ到着
■いよいよ修行開始
■修行の後半戦
■最終日

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