Each day is a little life: every waking and rising a little birth, every fresh morning a little youth, every going to rest and sleep a little death. - Arthur Schopenhauer

2011年11月25日金曜日

読書『アップルを創った怪物―もうひとりの創業者』スティーブ・ウォズニアック著

Shuffle/ Bombay Bicycle Club


アップルは二人の男が立ち上げ、築いた偉大な会社です。
二人の男、正確には「ふたりのスティーブ」とでも言いましょうか。
ひとりは周知のカリスマ、スティーブ・ジョブズ。
先日、自伝を読んだばかりです。そのことはブログにも書きました。

そしてもう一人、それがスティーブ・ウォズニアックです。
二人の天才が出会い、ガレージで完成させたのがアップルⅠであり、Appleです。
ただ、二人ともまったく違った人種でまったく違ったタイプの"天才"でした。

ジョブズも基礎的なプログラミング知識はありましたが、世界を変えられるほどの卓越さは持ち合わせていなかったのです。
人を惹きつけるカリスマ性、徹底的にナンバーワンを目指す情熱、未来を透視する千里眼、周知のマーケティング力・プレゼン力。
一方、ウォズニアックは対照的に、人前で話すのも苦手な極度のシャイな男でした。
温厚でいて、平和主義、上昇志向もほとんどありません。
ただ、彼は天才でした。正真正銘の天才でした。
プログラミングで世界のトップクラスの人間だったのです。

そんな二人がカリフォルニアで出会い、意気投合し、革新的なプロダクトが次々に生み出されました。
プロダクトの制作をウォズが、マーケティングをジョブズが。
二人の天才が出会ってイノベーションが生まれたのです。
対照的な二人だったからこそ、歯車が見事に合致したのかもしれません。


ただ、会社が肥大化するにつれてウォズは居場所を失っていきます。
もともと上昇志向に欠けていた彼は、ある日アップルを退社し、自らの会社CL9というユニバーサルチャンネルを設計する会社を立ち上げます。(アップルには一応、籍は置きつつ)

彼の人生哲学が伺える言葉がつぎのものです
物事をコントロールする人より、笑って過ごす人のほうが幸せだって、僕は思う。それが僕の考え方なんだ。僕は、人生で一番大切なのは幸せであり、どれだけ笑って過ごせるかだと思うんだ。頭がちょっといかれたやつのほうが幸せなんだ。僕はそうゆう人間だし、そうなりたいとずっと思ってきた

自伝では彼の性格が伝わってくるような、どことなくかわいい語り口で人生を振り返っています。
途中途中でプログラミングなどの技術面の話が多くありますが、素人でもわかるように噛み砕きながらわかりやすく彼なりの言葉で逐次説明を加えてくれます。

彼は生まれながらにしてプログラマーだったのかもしれません。
父はエンジニアだった。幼少期から様々な専門知識を噛み砕きながら、わかりやすく説明してくれた。ぼくは算数と理科が大好きになった。小学六年生の時はIQが200を越えていたよ。
父が教えてくれたことで最も重要なことは「エンジニアは世界を変えることができる」ということだ。
今も僕は、エンジニアとは世界の鍵を握る人種だと信じている。 
そして彼は世界をものの見事に変えてしまったのです。
一部の政府機関や機械オタクしか扱うことの出来なかったコンピューターを設計して、だれもが使えるパーソナルコンピューターにしました。
いまわたしたちの生活はパソコンなしに考えにくいものとなっています。
ぼくはMacユーザーですしね。



世界は白黒なんかじゃない。白と黒の間にはさまざまな濃さのグレーがあるんだ。「発明家なら、グレースケールで物事を見なきゃいけない」。すべてに対してオープンに。他人のあとをついて歩いてはいけない。
何か新しいもの、世界を変えるものを作るには、みんながとらわれている制約の外側で考えなきゃいけない。みんながそんなもんだと思っている人工的な限界の外側で考えなきゃいけない。白黒じゃなくてグレースケールで世界を見なきゃいけない。誰も考えつかなかったものを作りたいなら、そうする必要があるんだ。 
この哲学があって、アップルが生まれて、数々の名機が世に産み落とされ、ぼくはこうしてMacbook Proでブログを書いているんですね。



大学生ブログ選手権

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